愛のため息

そんな栞を可愛いなって思いながらポテトと一緒に頼んだアイスコーヒーを飲んだ。




『ミイってコーヒーはブラックで飲むんだね。苦くない?』




ミイのトレイに乗った使われていないガムシロップと、ミルクが目に入ったらしい、栞に聞かれて、ストローを口に加えたまま頷く。




『じゃあ、ガムシロップとミルク貰ってもいい?私のアイスティ、まだ渋い感じがするんだよね』




「うんいいよ!」




了承すると栞は自分のアイスティにガムシロップと、ミルクと足して納得のいく甘さになったみたいで、満足そうな顔で頷いてた。




『ミイってさ、いつからコーヒー飲めるようになったの?私コーヒーって苦くてあまり得意じゃないんだよね』




「ええと、いつだっけ?」




オレンジジュースを飲みながら聞いてきためぐに、首を傾げながら考えた。




「きっかけはタカちゃんだったんだよね」




タカちゃんの都合なんてお構いなしで押しかけていた、片思い期間。



タカちゃんの家にある飲み物といえば、水かインスタントコーヒー。




苦くて美味しくないと言った小学生のミイに、当時のタカちゃんは
『お子ちゃまにはまだまだ上手さがわかるわけないよ~』と、馬鹿にした口調で言ったんだ。




その一言が悔しくて。絶対、ブラックで飲めるようになってやるーっ!なんてすごい闘志を燃やしてたっけ。




「ブラック派のタカちゃんの家には砂糖もミルクも置いてなくて、ブラックで飲んでるうちに、自然と飲めるようになったんだよね」





ふとした瞬間に「あ、コーヒーが飲みたいな」って思うようになったのも。





砂糖を入れて甘くなっても苦味はしっかりと残っていて、ブラックのほうが飲みやすいって思うようになったのも。




本当、いつの間にかそうなっていたな~ってカンジ。





「ブラックで飲み始めたのは小学生の頃だったけど、美味しいって思って飲むようになったのはいつからって具体的には覚えてないや」