愛のため息

「デートの話もね、ちゃんと理由をタカちゃんに話してれば今日みたいなことにならなかったのに出来なかったの。

やっぱりタカちゃんと2人で出掛けることに憧れてたから」




タカちゃんに理由を告げたら、それも叶わない。





タカちゃんと2人。手を繋いで、一緒に歩いて。




映画を見たり買い物したり。



数年後には好きなだけ出来るってわかってても、やっぱり憧れてしまって。




出掛けようって誘ってくれたタカちゃんの言葉はとっても魅力的で、どうしても我慢できなかった。




そんなことをポツリポツリ話すとタカちゃんは苦しそうな顔をして、また強く抱き締めてきた。




『ごめんなミイ。俺はミイに何をしてあげられてない。

ミイのために何かしてあげたいのに、何も思い浮かばないッ。

ミイをどうしたら喜ばせれる?幸せにしてあげられる?』




タカちゃんの言葉に、胸が震えた。



タカちゃんのバカ。



ミイが泣いたら困るって言っておきながら、泣かせるようなことを言うんだもん。



鼻がツン、と痛くなって泣いちゃう寸前だよ。