愛のため息

『俺の心配とかしてるならそんなのしなくていい』




厳しい声色に、怒ってるのかなって思って、ビクッと体が震えた。





『怒ってるんじゃないよ。びっくりさせたならごめん』





慌てたように言ってくれてホッと肩の力が抜ける。




そんなミイを見て苦笑する。




『もっと彼氏らしいことさせてよ』





「彼氏・・・らしいこと?」




『せっかくこうして付き合ってるんだから、家以外の場所でもさたくさん思い出作ろうよ。

ただでさえ、今までが今までだったし…』




そう言って、表情を曇らせた。




「タカちゃん、今までのことは別に気にしないでよ!
片思い期間が長かっただけなんだから」





『でも良い思い出はあまりないよね?俺結構冷たく接してたから』





確かに、冷たかった。




好きと心を込めて言っても、いつも軽く受け流されてた。




こうして強引に遊びに来ててもいないものとして扱われてたし。



思い出すと胸がズキッとするし、もうあの頃の二人には絶対戻りたくない。