植田は制服を握りしめて、呟いた。 「そんな簡単に言わないで…。それが出来たらとっくにしてるわよ…」 やっぱり、好きな奴いたんだ。 そう思うと同時に、ちょっと胸の奥が、ちくっと痛んだ感じがした。 俺は、利用されてるだけか…。 「協力してやるのに。誰が好きなんだ?教えろって」 「…嫌。」 即答かよ。それはそれで気になるけど。 「俺に何か手伝える事ある?あったら、協力するし」 「…ないよ」 これまた即答。やっぱりへこむ。