俺の運動神経なめんな!
幸運にも下は花壇だった。
クッションになって見事に着地した俺は、校庭に向かって全速力で走った。
ねーちゃんの側には七海さんがいて、俺を見て驚いていた。
「ゆ、優太!?あんたどっから出て来たの!?」
俺はねーちゃんの側にしゃがみ込むと七海さんに聞いた。
「ねーちゃん、貧血だろ?意識は?」
「さっきはまだあったんだけど、『目の前真っ暗だ』って言ってた…。
ゴメン、優太、保健室に亜矢を連れていける?」
俺はねーちゃんを抱え上げると、校舎に向かって歩き出した。
「七海!誰!?このカッコイイ男の子!?亜矢の何!?」
周りの騒ぐ声に、七海さんは苦笑いしながら、叫んで俺の後をついて来た。
「おとうとー!亜矢の!」

