人はそれを恋と呼ぶ



「悠斗さ、アイツきっと今頃泣いてるんじゃないかな…意地はっててもアイツは一人に弱いから」


友達に同意するように、ゆーちゃんは頷いた。


「きっと、ねーちゃんを想って泣いてる。馬鹿だよアイツ…」


そう言ったきり2人は黙った。



長い沈黙の後、友達は一人で公園を出て行った。


彼が出て行ったのは、多分ゆーちゃんを一人にさせてあげたかったからだと思った。


だって後ろ姿だけで分かった。



「……泣かないで」



あたしが呟いた言葉は彼には届かないけど。


あたしの目からは、また涙が溢れた。


彼は肩を震わせて泣いていたから。


声を押し殺して泣いていたから…。