「えー?なんで?」 「約束あるんだよね。ごめんね」 舞もちょっと迷惑そうに答えてるけど、これはちょっと長引きそうだと思っていた。 こんな時上手くかわす事も出来ないし、何より男の人への苦手意識が消えない自分が嫌になって俯いた時…――。 「お前ら、俺の女に手ぇ出してんじゃねぇ」 急に肩を抱き寄せられて、すぐそばから聞こえた声に、心臓が止まりそうになった。 それは紛れもなく、あの夏の日から一度も忘れた事がなかった、 彼の声だ…。