「いいから、早く行け。アイツ帰っちまうぞ」


予期してなかった台詞に固まる。


「は?な、何言ってんの、貴兄ちゃん…?アイツって誰?」


…まさか。なんで知ってるの?


「ゆーちゃんだかなんだか知らねぇけど、俺はお前にそんな顔させる奴は認めねぇ。

認めねぇけど、修兄ちゃんからメールあって、『今すぐ由紀を部屋に行かせろ』って言うから」


あたしの顔を見て、ため息をつきながら、ちょっと笑って。


「馬鹿。今度は顔真っ赤じゃねぇか…。ったく、いつもそれくらい感情を顔に出せよな」


そう言った後、あたしをレジから追い出した。