学祭の帰り道

薫と別れてから

珍しく雄太が真剣な顔をした理由に

俺はすぐに気がついた。


「哲平…気付いてた?」

「何に?」

「薫の口…ラメってたよな?」

「…そうだね。」

「テカってたよな!?」

「…そうだね。」

「光ってたよなっ?」

「雄太…しつこい。」

「あれって…優夏のつけてた口紅だよな…?」

「うん。グロスだと思うよ」

「…遊佐には…言わないでおこうな?」

「そうだね…」