『あんた惇じゃないよね?』 何も言わない私にもう一度、冷静に女の人が聞いてきた。 いや、だから惇じゃないし―…? 「私は兄貴―…惇の妹です。」 そうです、私は妹です。 兄貴でも、兄貴の彼女でもありません。 『えっ?妹―…って蘭ちゃん!?』 大声で私の名前を叫んだ女の人。 …―耳が何か変。 てか、何この人。 「何で私の名前知ってるんです?」 声真似と言い、私の名前と言い、何かおかしい。 何で知っている。 「貴方は誰ですか?」 私は真剣にマンガとかで良く聞く台詞を吐いた。