「あっ?えーと『惇!!嫌ぁ―…早く来てよぉ」 電話の向こうではパニクル女の人。 全く私が惇でないことに気付いてない。 『今、追われてるの!!何だっけ―…椿なんとかの族の奴ら!!』 椿なんとかの族―…? 喋り続ける女の人の口から椿・族と出てき、嫌な予感がする。 「おい、今どこにいんの。」 声を低くして兄貴の声に似せた。 少し兄貴より高い声だが、気付かないだろう。 私は女の人の答えを待つ。 『…―あんた誰よ。』 いや―…はっ?