「ラン。」 誰かに名を呼ばれて目を開く。 目を開いても目の前には誰も居ない。 キョロキョロと首を動かす。 声の主は後ろに立って居た。 「龍。」 「隼人が昼は皆で食べようってさ。」 「…―そう。」 短い会話をして龍は口を閉じた。 なんだ。 龍はただ私にこんな事知られるために話し掛けたの? そんなの昼になれば分かることなのに。 それにわざわざ言わなくても隼人が言うのに。 でも、龍の様子からしてまだ言いたい事があるらしい。 「どうしたの?」 そう聞けば龍は私をじっと見つめた。