「佳菜子、今日、なんかある?」


お弁当を食べ終わった昼休み、
ゆっこが佳菜子の耳元で囁いた。


「何も…なんで?」

「お好み焼き食べて帰らない?」

「行く!」

「じゃ、帰りに教室覗くから、待ってて!」

「うん!あとは?」

「え、うん、4人かな。」

「ふーん。」

「じゃ、あとで。」

「うん。」


食べたばかりで、放課後に食べて帰る予定をたてるあたりが、まだ色気より食い気といったお年頃…

と思いきや、

「あれ?あと二人は?」

「先に行って場所とってもらってる。」

「早っ!誰?」

「モッチーと高木。」

「!そーなの?」

「なんか問題ある?」

「ない。」

「よっしー!」

(そーゆーことか。)


なんとなく、色気はあるようだ…たとえ、お好み焼きでも。


「おまたせー!」

「うーす。」

「もう頼んだ?」

「まだ。勝手に頼んだら何言われるか分からねーから。」

「言わないよ何も。」

「ウソつけよ。食べ物の恨みは恐えーかんな。」

「そん時はおごってもらうくらいだよ。」