それが、
佳菜子の勝手な思い過ごしだったにしても、
佳菜子の未来が開けてなければ、きっと、取り残されたような気分に襲われることだろう。


恥をかくのだけは勘弁なワケで…
兎に角、
後悔だけはしないよう、やるしかなかった。


そして、
大沢へのメールも忘れるほど、
無我夢中で机に向かう佳菜子。


その甲斐あって、無事、
大学合格することができた。


担任教師の熱血野本も、
それはそれは喜んでくれていた。



その喜びも束の間…


佳菜子は自ら、
大沢を解放することに決めた。



「ハッキリさせないと、次に進めないよ!佳菜子には、新しい未来が待ってるんだから!」


ゆっこのその言葉が背中を押したのだ。



初めは渋っていた大沢も、

「あんたへの気持ちが、いつしか恋愛を通り越しちゃったみたいで…私ね…今、すっごく恋がしたいんだよねぇ…」


そんな佳菜子の言葉に、
何も言い返すことができず…


春の光が射し込む、暖かな空の下

新しい居場所を求め、佳菜子の元を巣立っていく大沢だった。