………捲り上げる?
「な、何で?」
「えっ…」
慌てて椅子ごと後ろに下がると、陽生がキョトンとした表情で動きを止めた。
「いや…何って診察……」
「し、診察?」
「しに来たんだろ?」
「あ……うん」
そうだった。
そうだ診察。
診察するんだよね、私。
気を取り直し、改めて姿勢を正した私だったけれど…
「やっぱ無理」
「は?」
また聴診器片手に詰め寄ってこようとする陽生の手を咄嗟に掴んでいた。
だってそれって…
つまりあれでしょ?
聴診器の先端についてる丸っこいので胸元をペタペタしたりとかするんだよね?



