そして、孝治が沙知絵を泣かせることも増え、さすがの私も離婚することを意識した。




『お前なんか俺の娘じゃない!』




言ってはいけない一言を、孝治は口走ったからだ。



普通に実の娘であるならば、もしかしたら喧嘩した弾みで言ったことになるのかもしれない。


でも、孝治が沙知絵に言うのだけは、決してあってはならないことであると、孝治自身もわかっているはずなのに。







この時、私は離婚届にサインをさせた。
次何かあれば、すぐに出すと言って。