そんな本人は、自分では全く気付いている様子もなく、ただただ分け隔てなく、周りの皆に優しく気を配っていた。





『はい。皆の分もコーヒー、買って来といたから。』




などと言って。







私と孝治は、仕事で一緒に組むことも多々あったが、お互いに他愛ない話しかしなかった。










そんな、ある日。



仕事場の皆で、飲み会を開いた時のこと。





『そういえば、熊川さんと南さんって、家近いですよねぇ!』