「あぁ、もうこんな時間。ママ、これからパートに行かなくちゃいけのよ。行って来てくれたら、好きな服買っていいから!じゃあ、頼んだわよ」


さすが母親。


娘の扱いには手慣れたご様子。


部屋に一人残された桃ずきんは仕方なく起き上がり、キッチンへと向かいました。


カゴの中には、まだ温かい焼きたてケーキと葡萄酒が入っています。


「ちょっとだったらバレないよね」



ケーキをパクリ。


口いっぱいに広がる甘い林檎。
鼻をくすぐるシナモンの香り。


‘ポンッ…ゴクッゴクッ’


「ぷはぁ。たまらん!このケーキに葡萄酒がよく合うのよ!」



上機嫌な桃ずきん。