―――それから―――
新学期が始まって、早2ヶ月が過ぎた。
春の暖かさから、夏の蒸し暑さへと変わってゆく頃―――。
私達は、何ら変わりなく時を過ごす。
朝起きられなくて遅刻すると、景子に説教される。
翔平がそれを見て、腹が立つ笑い声を上げて私達は喧嘩。
春香がそれをなだめてくれる。
でも、時々授業をさぼっては、景子にまた叱られて反省―――するふりをする。
なぁんて、そんなことが中学の頃から続いている日常。
楽しげに和気藹々と談笑し、賑やかな教室の風景。
そんな中、教室の窓側の一角に―――。
1人は静かに本に目を向け、また1人は腕を組み寝ているのか瞼を閉じている。
あの人達はまるで別空間の中にいるように、自分達独特の雰囲気を纏っていて、自分から話し掛けようなんてクラスメイトはいない。
ただ1人を除いて―――。
「学さーん!! 智信さーん!!」
あーぁ、性懲りもなくまた行ったよ、あいつが。



