その時、楽屋のドアが開き
朔夜と圭司が撮影を終えて
戻って来た。
 
「イッキ、次は、イッキ
 一人だけでの撮影らしいよ
 モリちゃんが
 現場で待ってるから」

カップをテーブルに置き
博臣の肩を叩いて樹は席を立つ

「野瀬さん、お願いします」

撮影を順調に行う樹の姿を
じっと見つめる女性がいた。

そう、それはまりあだった。

まりあの強い眼差しに、樹は
全てを見透かされてしまうの
ではないか・・・
そう思うのだった。

撮影を終えた樹の元へ
まりあが近寄る。

「ありがとうございました
 今日は
 これで撮影を終了します」

樹は、スタッフに深く頭を
下げた。

マネージャー森永は
カメラマン、スタッフに
挨拶に向かう。
 
「マリア、久しぶり・・・
 どうして、ここに?」