「俺アメリカ行った時から親と暮らしてねぇし。
親戚の家で世話になってたから…」

「ご、ごめん…」

「別に。つーか親死んでねぇけど」

「はぁ?」



今の流れなら親が死んだって流れだよね!?



死んでないの!?



「つーか、お前も親に付いて行くって思ってたから部屋とったら、お前は残るって言うし…」



そんなのあたし知らないもん!!

今日、色々知ったんだもん!!



「まぁ別にいいやと思ったら住む事が決まって、娘が美人って聞いてたから承諾したけど…」



むむむっ!?



それはあたしが美人じゃないと言うのか?



まぁ美人じゃないけどさ。



美人なのは澪音姉ちゃんだし…。



「悪かったわね、美人じゃなくて!!」

「いや、こっちの方がヤり甲斐がある」

「…は?」



ヤり甲斐って…。



「お前、処女だろ?」

「なっ…!!」



何を言うんだコイツ!!



そりゃ間違って無いよ。

彼氏いない歴=年齢だし?



ファーストキスだってまだだし?



「最低だよっ!!
女の子にそんな事言っちゃいけないんだよ!!」

「関係ねぇよ。つーかお前が女?
あんな変な顔の驚き方は女じゃねぇ~」



本日2度目のカチーン。



「変な顔って何よ!!」

「目が見開いてて、口開けて…」

「はいはい分りましたっ!!」



もうコイツデリカシーがない。



「しかもお前面食いだろ?」

「そうですけど何か?」

「俺の事誰にも言うなよ。面倒くせぇから」



誰が好き好んで男と2人暮らしなんて言うのよ!!



…來羅ちゃんには言うけど…。



「陽斗って見た目と印象が違う」

「…何がだよ」

「口悪い。エロい」



見た目は王子様とも言えるようなイケメンだけど…。