目の前にいる彼は風呂上がりなのか髪の毛が濡れてる。



水も滴るいい男とはこの事だろう。



「あんたが美桜?」

「あ、うん」

「ふーん。もっと美人かと思った」



カチーン。



「ちょっとそれどういう意味よ!!」

「そのまんま。澪音って奴が美人だったから妹も美人だと思っただけ」

「澪音姉ちゃんと会ったの?」

「雑誌見せられただけ」



ムカつくなぁ…。



一番あたしが気にしてる事をそんな簡単に言うなんて…。



顔はイケメンなのに口は最悪。



でもあたしの中でのメーターがイケメンに反応してるから良しとしよう。



「つーか何1人言?
さっきからブツブツうるせぇ」

「何よー。悪い?」

「はいはい…」

「ねぇそれより名前は?」

「聞いてねーの?」

「何にも聞いてない!!」

「そ…」



何かあるのかな…?



「俺は陽斗(ハルト)」

「陽斗? じゃ学校は?」

「昨日アメリカから帰って来たばっかりだから知らない」



帰国子女って事!?



凄いっ…!!



「日本には5歳の時までいたから、海外生活が長い。
日本語より英語が話せる」



す、凄い…。



あたしなんて日本から出た事無いのに、日本語も時々あやふやなのに…。



イケメンって何でも出来るんだね…。



でもよかった~



何も喋らない無口な人だったら、こっちが困る。



静かな雰囲気には耐えられないもんね。



口悪くても話せる方がまし!!



「ねぇ陽斗?
何で一緒に住む事になったの?
親とは暮らさないの?」



久し振り?に日本に帰って来たんだもん。



普通なら親と暮らすよね?



なーんでこの家で一緒に暮らすんだろう…?