あたしに輝きなんてあるのかな?



あたしだけの輝き?




「美桜は美桜だからいいんじゃねーの?
美桜が澪音さんなら嫌じゃん?」

「…………」



あたしが澪音姉ちゃん?



1度はなってみたいと思うけど……。



でもあたしだからいいのかな?



あたしが"あたし"だからいいのかな?




「俺は澪音さんの輝きより、美桜のごくありふれたような自然な雰囲気が好きだし」

「陽斗……」



そんな事言われたら恥ずかしいよ……。






「俺は“普通”がない生活しかした事ないから……」

「へっ!?」

「何でもねぇよ」



陽…斗…?



普通がない生活って…?



それってさ、陽斗の秘密な事なのかな?



陽斗の秘密ってさ、人に言えないくらいなものなのかな……。




「ね、陽斗……」

「ん?」

「陽斗は澪音姉ちゃんよりあたしが好き?」

「なんだよ……」

「好き?」

「……好きだよ」



そ、っか……。



「美桜は?」

「えっ!?」

「美桜は俺がすきか?
それともテレビや雑誌の中にいるような奴が好きか?」

「あたしは……」



あたしは確かにアイドルとかが大好きだ。



素敵な出会いとかに憧れてた。



でも現実にはそんな状況は無くて……。



でも今は?



アイドルにいるような顔立ちの陽斗が目の前にいる。



そしてさっき気付いてしまった気持ち……。



「あたしはっ……

陽斗が好きっ……!!」



澪音姉ちゃんになんて見た目も中身も敵うはずはない。



でもそんなあたしは

陽斗が好きなの……。