「ねぇ、陽……」

「あー!!
それより腹減った」

「ちょっ…」



話はぐらかされたっぽい。


澪音ちゃんとの事聞かれたくないのかな?



なんかつまんないのー。



陽斗をあたしの虜にして見せようと思ったけど、無理っぽいし…。



「美桜、料理手伝え」

「は~い」



ん~…。



陽斗って謎だよね…。



「ねぇ陽斗……」

「お前集中しねぇと怪我すんぞ」



ムムっ!?



今のは確実にはぐらかした!!



陽斗は何かしら隠したい事があるんだ。



だからあたしに問い詰められないように、はぐらかすんだ。



ますます気になるじゃん!!



「陽………っ!!」

「美桜っ!?」

「いっ…」


…たぁ~い!!



「馬鹿美桜。
だから集中しろって言ったんだよ!!」

「だってぇ~…」



包丁で軽く擦り傷を作ってしまった。



少し血が出てる…。




「ご、ごめっ…」

「わかったから、指出せ」



あたしは怪我した左手の人さし指を差し出した。



しかーし!!



「ちょっ…陽斗!!
何してんのよ!!」

「ん…消毒?」

「消毒って……」



あんたねぇ…。



「人の指舐めてんじゃないわよ!!」

「こんなのは舐めれば治るだろ」

「…っ……!!」



でもでもっ!!



これはさすがに恥かしいでしょっ!?



「陽斗…止めっ…」

「ん…」

「陽斗っ!?」



だんだんエスカレートしていく陽斗。



ちょっ…これはまずいでしょ…。



「…んっ…は…ると…」

「ん?」



ヤバいよぉー!!



エスカレートし過ぎ!!