あれから数時間経って、ガラリと教室のドアが開いた。 「この教室も最後か……」 入ってきたのは、彼だった。 一歩一歩、私の方に近づいてくる。 彼は、鞄からペンを取り出した。 私の下に回り込み、何かを書いている。 「…よし。 1年間、ありがとな」 彼は私をポンと叩き、教室を去って行く。 彼が私の裏に書いたメッセージ。 それを私は知ることができない。