「それとも髪の毛引っ張られるとか思ってる?」


そう言う先輩はさっきまでの笑った表情じゃなくて、私はその真面目な先輩の目を見ながら、顔を左右に振った


「じゃ、頭置いたら?」


「1分いくらか計算して、2万から引きませんよね?」


あ〜こんな私、可愛くない!


素直に頭置く程、男に免疫ないんだから!


「お前さ〜俺がそんな男に見えんの?」


「ハイ…」


だって、私のお財布拾って、勝手に2万盗ったドロボーだもん


「夏までだったな…2万」


「返してくれるんですか?」


「ああ…返すよ…」


先輩はそう言って顔を戻し、空を仰いだ