私は冗談交じりにそう言った


「バカ!ドロボー扱いすんなよ!」


「だって本当じゃないですか!1円も返してくれないですし」


「俺のこと、ドロボーって目で見てたのか?」


先輩の声のトーンが下がった


「い、いえ…まぁ…始めはドロボーって思ってたけど…」


「ドロボーか…そうだよな〜勝手に財布から盗ったんだもんな」


「あっ!夏まででいいって言ったのは私ですから、それにもう、ドロボーだなんて思ってないですし〜」


私はこのギスギスした場を少しでも変えようと笑いながら先輩の肩を叩いた