「先輩…」


小さな声でそう呼ぶと、キョトンとした顔で私を見た


キュンとなる心臓


「どうした?」


「い、いえ…」


先輩は私の隣に座り、宿題を机の上に出した


私は何も言わずにエジプトの本を閉じ、宿題を始めようとシャーペンを動かす


しばらくすると先輩が口を開いた


「なぁ…いつも朝、何時に来るんだ?」


「え?朝ですか?」


「今朝、校門のトコ、走って行ってたような気がしたからさ」


ドキッ


どう答えたら…


別に私、先輩のことなんてどうでもいいし…