「誰もせいでもない。
あの子も少しは成長をしないと、
これからもっと大変なの。」


「大変?」


「主人の後を継ぐのだから、
生半可な気持ちでいたら、
美佳ちゃんにも迷惑が掛かる。」


お母さんの顔は、
いつになく真剣な眼差し。


「どんな環境になっても、
自分という者があったら、
ぶれる事はない。


温室育ちの息子だから、
今の状況を真剣に受け止めないと、
いつバレても貴方を
助ける事が出来ないのよ。」


私はハッとした。
私ばかり寂しいと考えたけど、
先生と私の関係は、
黙っていないといけない。