噂の彼の甘い罠†アイドルと秘密の同棲

「だからかよー。さっき部屋入った瞬間、ニヤけてたのは…。お~、怖っ」

晴弥はブルッと体を震わせ、身を縮こまらせる。



「違うのぉ~っ!昨日は…コンサートから帰って、ショックで…見る元気なかったんだもん…」

「ツアーファイナルに来てたんだ?ま、あれでclashも見納めだな。

実際さぁ、歌はダリィんだよなぁ。メインボーカルのオレばっか酷使されてる気ぃするし。

clashで有名になったし、これからは歌以外の仕事も入れるつもり」



晴弥は、濡れた頭をタオルでガシガシしながら

大した事なさそーに語りかけてくる。





私や…、ファンにとっては

一大事だった昨日の事も




…晴弥にとっては

大した事じゃないのかな。



clashは…

新しい道に進む為の

ただの登竜門。