物…?

え、何だろ。

お母さんお茶碗すぐ割っちゃうからね。割れ物なら、既に破壊されてると思っていい。

これは晴弥には言わないでおこー。




「写真のブータンはいつも幸せそーで、妬けた。うちは色んな所連れてってもらえる家族じゃなかったしな…。

そのうち、会ってみたい…って思うようになって。いつの間にか、写真の中のブータンに、恋してた」


こっ…

恋っ!?

えぇーっ!?





目が飛び出そうだよ。









「驚いたろ」

コクコク頷くだけの私。






「…日本に行きたくて受けたオーディションに見事合格。その後は…もぅ自分の事なんて一切できないめまぐるしい毎日。

そのうち…自分がやりたくもない、アイドルになってた。なんか目的から外れててさ。ワケわかんねーよ」

晴弥は舌打ちして、その場に座り込む。

私も合わせて、ペタンと膝をつけて座った。




「それで…ソロ活動を?」

「いや。理由はそれだけじゃねぇんだケド」