「捨てた…もん。晴弥が、ポスターに話しかけてるってバカにするし」

「えっ、マジ?ったく、冗談だろー。あ~あ、あのポスター超キチョーなんだケド。プレミアついてんのに…」

「うそっ!?」

「マジマジ。印刷ミスで、発行部数少ねぇんだって…」

…捨てなくて良かったぁ。

ホントは机の中に入れてるからね。




「こん中かぁ?」

…へ?





急いで振り向いたけど、時…既に遅し。

晴弥は私のゴミ箱を

カコンと足で蹴って転かした。





ちょっ…ちょっとぉ!?



「晴弥ーっ!ゴミ箱あさるなんて…さいってい~っ」

「うるせーよ。…何だ?コレ」

ぎゃっ!




近寄った私を手で押しのけると、晴弥は横になったゴミ箱からこぼれ落ちた、赤ずきんの衣装を指でつまんだ。

「きゃーっ、きゃーっ、きゃーっ!!返してぇーっ」