「ほら食えよ~。あったかいうちじゃねーと、上手くないぜ?」

「うん。ありがとう。…これ、晴弥が?」

「まぁなー。ロケ弁食ってるとさ、太んだよな。寮ではたまに自炊してたし。ほら、遠慮すんな」

お腹すいたし、ここは大人しく戴いておこうかな。




海苔が巻かれた三角おにぎり…。お母さんを思い出すな。

晴弥は私の顔を不思議そうに覗き込む。

「…ブータン、なんか目ぇ充血してねーか」

「してないっ」

ヤバい。泣いたのバレちゃう。




ゴシゴシと目をこする。

「目も腫れてるよぉな?」

「腫れてないっ。目が…かゆいの」

「…そぉか」




晴弥は、私を見て

フッと笑った。








「タツが、また来るからブータンによろしくだと」

「へ…へぇ」





もぉ、いーのに。

「ブータン?」

「何よぉっ」

「…ポスター、どこやった?」





へ?

晴弥は、私の部屋を不思議そうに見回す。



ポスターは

片付けました。