タツが帰りしばらくして。

部屋の扉が叩かれた。




「おい、ブー!飯~」

飯ぃ?

自分でチンしてよねぇ。

冷凍ご飯に、冷凍おかず。お母さんの料理がジップロックにたくさん入ってるんだからぁ~。



「晴弥、勝手に食べてよね」

「開けるぞ?」

カチャカチャとノブの音がする。




…鍵閉めてるもん。

開くわけない。




カチャ



「おい、大丈夫か?」

ぎゃっ!何で開いたのぉ?



晴弥に泣いた顔を見られたくなくて、慌てて机に突っ伏した。

「ブータン、何で機嫌わりーんだぁ?飯、作ったから食えば?」



ぷぅ~んと、いいにおい。

晴弥がもうご飯チンしてくれたの!?




バッと顔を上げると、晴弥の手にするトレーには、おにぎりとお味噌汁。簡単な炒めものがのっていた。