「おばあさんの目、大きいね」

タツの目は、パッチリ二重。目力あります。

「赤ずきんちゃんをちゃんと見れるようにね」




…こんなんだっけ?

まぁ、何でもいいや。




クスクス笑うと、タツが毛布を抱えてフローリングに座りなおす。

「赤ずきんって、オオカミに食べられんだったっけ?」

「うん。お腹をね、助けに来た猟師さんが切るんだよ」

「…へぇ。じゃ、オレオオカミだから、赤ずきんちゃん食べちゃおっかな~」

「やだ~、タツ。…えっ!?」



タツは私の腰に両腕を回すと、少しずつ近寄ってくる。

「タツ…、演技?だよねっ」

「そー。演技、演技。小春ちゃん、マジで可愛いーな…。もっと顔、よく見せて」

ぶわっ。顔が近いーっ!

一気に密着。



タツは私を抱きしめ、どうしたらいいかわからず固まる私。




キャ~!

タツファンが聞いたら泣いて悔しがるこの体勢。

私、タツにギュッてされてるぅ~っ!!