『それでいいよ。清香!』





え……?






後ろを振り返る。











誰もいない。







でも、いま、







『私は、清香に辛い思いしてほしくない。だから清香、恋をして?私はあなたに、恋を知ってほしいから……』





「由香里……?」


「清香?」





桐谷さんが私の方を見る。








『大好きだよ!!清香!幸せになってね!!』




「由香里……ゎ、たしも……大好きだよ!」




涙が流れる。







由香里の声はもう聞こえない。





けれど、私は平気。






だって、由香里はそばにいるから……





桐谷さんが、
そっと私の頭を撫でる。




優しくて、
不器用に私を慰める手。





由香里、
私も見つけたよ?










恋ができる大好きな人……