人魚に薔薇を

彼の唇はいとおしいそうに軽く私に触れた。

彼の髪からは何か…素敵な香りがして…



彼がすきだとまた自覚せずにいられない。


現実に引き戻されたのは次の瞬間。

電車の発車案内の音がした彼は慌てて電車を見た。


私と電車決めかねているみたい。



「…行って。」
私は言った

「明日もあなたに会いに行きます。」


彼はそう耳元で囁き電車に消えた。