ドラム管の中【短編】


しばらく呆然としていたが、何かの聞き間違いかもしれないと、もう一度コンコンと、

「お名前は何ですか?」
と質問を変えて問い掛ける。

するとまた、

ドンドン、
と大きな音が中から聞こえ、
「名前は無いんです」
ようやく聞き取れるくらいの人の声が耳に届いた。

トントン「そこで何をしているのですか?」

ドンドン「分からない」


私は訳の分からない人との会話を続ける。

トントン「何故そこに居るのですか?」
ドンドン「外は明るいからです」
トントン「明るいのは嫌いですか?」
ドンドン「いえ。でも自分に似合ってないので」