彼女は急に泣きだした。俺はビックリしてすぐにハンカチを渡した。

 彼女はハンカチで涙を拭いて、大きく深呼吸をした。

 「ありがとうございます。ちょっと色々あって・・・」

 俺は何があったのか聞いた。

 「泣くほど辛い事があったの?俺で良ければ話聞くよ。少しでも楽になってもらいたいし。」

 彼女はゆっくり話してくれた。「実は・・・今日、彼氏と別れて・・・」俺は心の中でクリスマスイブに別れたのはきついなと思いながら、彼女の話を聞いていた。

 「実は明日が彼との3年目の記念日だったのに・・・」また彼女は泣きそうになっている。

 「ずっと大好きだったのに・・・ずっと一緒にいようねって言ったのに・・・」彼女の話を聞いていた俺もおもわず泣きそうになった。

 俺は彼女にそっと言った「大丈夫だよ俺が君のすべてを受け止めるから。」

 そして俺はさっきお店で買った、赤い手袋の片方を彼女に渡した。彼女は困惑した表情で訪ねてきた。「なんで赤い手袋の片方だけなの?」

 俺は彼女にこう言った「この赤い手袋が君に巡り合わせてくれたんだ。だからこれは赤い手袋ではなくて、絶対に切れることのない、赤い糸だよ。」俺なりの告白だった

 彼女は赤い手袋をはめて、小指を出してきた。俺も赤い手袋をはめて小指を出して小指同士をくっ付けた。


 「これであなたと一生切れる事のない赤い糸の完成ね。これからはよろしくお願いします。」

 さっきの彼女の顔はもうどこかに行っていた。


 すると言葉を言い終えたら、急に雪が降り出して来た。

 俺は、「サンタさんが僕たち二人のために雪をプレゼントしてくれたね、今日という最高の出逢いを祝福してくれているかのように。」

 俺は今日という日を一生忘れないと思った・・・