途中で何度か有本君の噂話を耳にする。


知らないくせに。


皆、何一つ知らないくせに!!


廊下を走っていく有本君が脳裏に焼き付いて離れない。


携帯は留守番電話だったので、新菜のマンションに向かった。


エントランスのインターホンを何度鳴らしても出ない。


あとは店しか心当たりがない。


とにかく走った。