校門へ向かう道中、桜吹雪の隙間から有本君が見えた。


スラリと伸びた手足、整った顔、お洒落な眼鏡、柔らかそうな髪。


素晴らしい容姿を持った彼は、無口なのかクールなのか、一人でいることが多かった。


有本君は、あと何単位取るんだろう。


君が学校に来るなら、私も来ようかな。


同じ学部、同じ授業。


見ているだけの一年がまた始まる。