あれからちょうど3年がたち
今日はお母さんの3回目の命日だ

今でもイブのパーティーは
欠かさずやっている。
しんみりするのは幸に悪いからって
悠くんが決めたからだ。


悠くんと2人で焼くケーキも
3回目になると結構ましになった
最初はチョコは焦げるし
生クリームはしょっぱいしで
あれは食べ物じゃなかった。

昨日も悠くんと悠くんの友達と
みんなで馬鹿騒ぎした。
朝起きるとみんな帰っていて
部屋は散らかったままだった。


「さっちゃん、そろそろ行こう。」

部屋を片付け終わった悠くんが
車のキーと線香を持って言った。

「はーい。あれっ花は?」

「あ〜、忘れてた。」

悠くんは呟きながら寝室に行った。

「あっ。」

あたしは思わず声を出して
戸棚からマッチを出した。
ちょうど悠くんが花を持って戻ってきた。

「これも忘れてるよ〜。」

「うわ〜、俺今日やばいな。」

いつもだろってツッコミは
さすがに今日は自粛した。


「てかもう9時じゃん。行こう。」




クリスマスの朝早くから
慌てて出かけるのももう3回目。

だんだん慣れていくのが
何だか寂しいねって言ったら
俺もだよって悠くんも言った。
ちょっと安心した。