私はあなたが
りんごを私に
剥いてくれる時間が
一番好きだった。
綺麗だけど節だった
あなたの手が
紅かったりんごを白に
してゆく様は
ごく自然で、
魔法にみえた。
りんごを剥くことは
だれにでも
できるはずなのに、
不思議だよね。
あなたが剥くと
誰も出来ないことを
しているようにさえ
感じたの。
本当に不思議だった。
その姿を見るだけで
満たされた。
大事に大事に
扱うから、
私がそうされてる訳では
ないのに、
何だかすごく
くすぐったかった。
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