たっぷりのマヨネーズが美味しい惣菜パンにかぶりつきながら、類は新聞を広げていた。

“サフィルスの星”という文字に惹かれてその小さな記事に興味を持ったのだ。

“ルビヌスの星”に関わったばかりだ。

似たような名前につい目が反応した。

それは博物館に置かれてあったスターサファイアの名前で、昨日博物館から盗み出されたことが分かった。

博物館は特にそれだけに厳重な警備はしておらず、出入り口に防犯装置を張り巡らしていただけだったらしい。

そして、盗み出されたことによって、それが、五十年前にモゴーグ国から盗み出されたかもしれない“サフィルスの星”であったかもという事実が浮かび上がってきたらしい。

「なに珍しいことやってるんだ?お前でも字が読めるのか」

湯佐が声をかけてきた。

 ああ、またか。