一口食べてみる。

美味しい…。
確かに美味しいのだけど…。

なんだか無性に切ない…。


その時、急に奥にいたカップルの女の方が立ち上がった。


ずかずかと大股で歩き、店を出ていく。


あれ、わたしと同じ制服…?

憤慨した表情の彼女は気づかなかったけど、わたしには彼女が千晶だとわかった。


少しして、男の方も立ち上がる。


男と目が合い、

わたしは心臓が止まりそうになった。

相手も同じだった。


目を丸くしたその男は、遼だった…。