【礼子と愉快な仲間達ー41】


「あ、阿部ちゃん…」








よく見るとそれは、
腰を抜かしている札夫で
あった。








泡まで吹いている。






「マジ、札夫かよ。
霊だと思ったのにマジ
つまんね。
マジ、どうしたんだ?」







「人形が……人形が…」







札夫はそれしか言わず、
それ以上は何も
言わなかった。







すると、奥の廊下から
凄い勢いで何かが走って
きた。







「ん?マジ今度こそ
走る二宮金次郎か?」







阿部は、
期待に胸膨らませたが、
それもやはり霊では
なかった。







「ウヒィィィ!
阿部ちゃ~~ん!」






それは
恐怖に顔を歪ませて、
更に不気味な顔になった
山田であった。








「マジ山田??
マジどうした?」







「人形が…人形が…」







山田はそれしか言わず、
これ以上は何も
言わなかった。







ちなみに
泡まで吹いている。











「お前らカニか!」