【礼子と愉快な仲間達ー38】


ガタン…







礼子のその音に反応して

札夫は振り返る。








「ウヒヒ……またバカな
霊が来たのかな?」







不気味に笑いながら、
釘を人形にグリグリ
させている。








「(なんかブツブツ声が聞こえるけど、誰かいるのかしら。前が見えないわ)」







実は、この時すでに
礼子の顔を覆っていた
札は全部取れていたが、

走って来て転んだりして
自分の髪の毛が顔に
かかり、見えていない
だけで、まだ顔に札が
付いてると勘違いして
いた。








「(もうムカつくわね)」








礼子は美術室内を
手探りでフラフラ回った