【礼子と愉快な仲間達ー36】


「前が…
前が見えないよお…」






「ヒイ!」







前が見えない人形に
恐怖心を抱いた札夫は、
更に境地に立たされる。







手を探るも、もう一枚も
札がなかったのだ。






「あああああ!!」






すると札夫は突然腰を
抜かし、
パニックになり始めた。







そう…
普段はどんな心霊

スポットで一人に
なっても平気だが、
札がなくなると、外も
出れなくなるくらい
臆病な男なのだ!!









フラフラ……ドン!







前が見えない礼子は
よろめき、
机にぶつかった。



すると、その振動で
人形の首が落ちたのだ。








「ギャアアアア!!!
阿部ちゃ~~~~ん!!!!」







札夫は這い蹲りながら、
廊下に飛び出し逃げて
行った