【礼子と愉快な仲間達ー16】


昼間の出来事から
時は過ぎ、礼子は廃高のグラウンドにいた。






「(まったく……
同じ人間を
また怖がらせて
二度も恐怖エネルギーを
もらうなんて、
悪魔のすることだよ)ブツブツ…」






「オッサン、ブツブツと
どうしたの?
自動販売機に間違えて
500円入れて、
当たりが続いたと思って
ジュース何本も買った
ことに気付いたとか?」







「アホか!!
礼子君、霊がそんなこと
出来るワケないだろ!」






「そう言えばサキは元気してるかな?
後で会いに行こっと!
そうしよ★」←(全く聞いてない)







「人の話を聞け!
全く近頃の若い者は…
いいかい礼子君。
キミは…………
……ん?」







遠くに目をやると、
誰かが校内に行くのが
見える。






どうやら人間らしい。






「礼子君!霊務だよ!
ホラ、脅かしに行って…
ってアレ?」






そこに居るはずの礼子の
姿はなく。
また勝手にどこかへ
行ってしまったようだ。







ポツンと残された
オッサンに、冷たい風が吹く。






「…シクシク」







オッサンは急にとても悲しくなった…