「さ、次は坂上家に出向くぞ」 俺と日和は父親に連れられて、お手伝いさんの運転する車で沢山の家を周った。 それは年末から年始にかけて行われる、毎年恒例の挨拶回りだった。 もちろんバイトは休まなくてはならないし、勉強どころではない。